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心に移りゆくよしなしごとを、教育、音声言語、認知科学、環境倫理などの視点から、そこはかとなく書いています
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自然と人工 9.自然と人工
自然と人工についていろいろ書いてきたが、例えば、田畑、動物園、植物園、水族館、日本庭園は自然を人間に近づけるための人工。植林や海底の改良は人間を含む自然を守るための人工、自然言語は人間同士の接点として働く人工。人工言語は、人間と人間、そして人間と人工の接点。現在のAIは人間の情報処理機能の代行と考えられる。我々は、今から数百万年前に猿類と分かれるまでの類人猿の時代から、自然あるいは別の類人猿と接するにあたって、道具を使っていた。それは,気温変動から身を保護するための枯れ草を束ねたものだったり、雨をしのぐ巨大な葉で作った屋根だったり、木の実をとったり割ったりする石オノだったり、また、仲間に何か伝えるために叩いて音を出す木製太鼓だったかもしれない。この人間と外界との接点である「道具」こそが人工なのだ。全体的、俯瞰的にいえば、自然体人工という図式ではなく、人間と自然の接点が人工ということができよう。ところで、大石君がその後、どういう人生を歩んだのかはわからない。
(2021.4.30 「自然と人工」終わり) 目次
子供の質問にはすぐ答えてはいけない 5.言葉を使わないと考えられないこと
積み木を積み重ねる際の思考というのは、視覚的な形状を見て、直方体の上には直方体が乗る、球体の上には直方体は乗らない、などおそらく言語に置き換えなくても、頭の中でやり取りされる視覚情報を手掛かりに判断が可能な場合に限られるであろう。一方、例えば、遅刻したら5点減点とし20点減点になったら減給、無断欠勤は1回で減給など、会社で部下の勤務に関するルールなど抽象的なことを考える場合には、言語なしでは難しいと推測できる。ところで、人間とサルの口の奥を比較すると、サルでは、弁の働きをする喉頭蓋が高い位置にあるのに対し、人間では低い位置にある。このため、サルではのどのスペース容積が小さく音韻を発声することが難しいのに対して、人間の場合、のどのスペースがたっぷりあり、母音をつくるのに都合がよい。この違いにより人間はいくつかの母音を発声することができる。そして、唇や歯、歯茎などでつくられる子音とのどのスペースでつくられる母音を組み合わせて言語をつくり出した。言語を使うことにより、人間は、推論や問題解決などの高度な思考や記録ができるようになり、現在のような文明を築き上げた。言語を使わず、幾何学的な視覚情報だけの思考では、ここまでの高度な文明を作ることはできなかったであろう。 (2021.8.4 続く)
海外カルチャーショック 7.中国というところ(1)
自社の上海オフィスと一緒に仕事をしたことがある。そのため、上海に数回出張した。中国出身の部下Sと行ったのだが、衝撃的だったのは最初に行った食堂だ。その食堂は、宿泊ホテルのすぐ近くにあった。ちょうど昼頃に着いたので、軽く昼食をとろうとしたのだった。まず、入ると「いらっしゃいませ」はない。客は7人くらいだっただろうか。おばさんが忙しそうに働いている。空いている席に座って、メニューを見ながら美味そうな焼きそばに決めた。Sが「注文をお願いします」と中国語で言った。そのとき、おばさんはこちらをにらみつけて何か叫んだ。意味が分からなかったが、Sの通訳によると、「うるさい!」と言っているとのこと。さすがに、これにはびっくりして2人は肩をすくめた。もう来るまいと思ったが、日本の店が愛想よすぎるのだろうか。(2021.12.8 続く)
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