忍者ブログ
心に移りゆくよしなしごとを、教育、音声言語、認知科学、環境倫理などの視点から、そこはかとなく書いています
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ロシアの話  1.権威主義と暮らし
前々回シリーズで海外カルチャーショックについて書いたが、ウクライナ侵攻が起こってから、もう少しロシアの話を聞かせてほしいという声が何人かから寄せられた(と言っても2人)ので、ロシアという国と1998年に共同研究をしたときの様子を書きたいと思う。かの国の雰囲気が少し伝わるかもしれない。まず驚いたのは、先にも書いたように、モスクワ大学の先生を訪問して、一緒に食事でもいかがですかと言われて、出てきたのが少しカビの生えたパンと水だったこと。それでも、代わる代わる挨拶に出てくる先生は皆ダブルのスーツを着ていて、権威主義と生活のギャップをその場で感じたことだった。  (2022.5.25  続く)


目次

拍手[0回]

PR
ロシアの話  2.連行
仕事が終わった夕方に、出張に同行してくれた本社の人二人と、赤の広場辺りに散歩に行った。美しい聖堂やクレムリンが取り囲む風景は、雨上がりに幻想的で今でも忘れられない。観光客はあまりおらず、静かな感じであった。その時、警察官らしき二人の人物が何やら話しながら近づいてきて、いきなり、本社の人の一人を呼び出し連行していってしまった。100mほど離れたところで、いろいろ尋問しているようだった。15分ほどたっただろうか。ようやく、解放されて戻ってきた。なぜ連行されたのか、何を言われたのかを聞いても、何もわからないということであった。何を不審に思ったのか、なぜ彼だけなのか、いまだに謎である。クレムリンの横には大砲が展示されていた。  (2022.6.1  続く)

拍手[0回]

ロシアの話  3.愛想の悪さ
ロシアの土産物屋や飲食店の店員の愛想の悪さには閉口する。「いらっしゃいませ」はもちろん、土産物を見ていても「何をお探しですか?」「これはいかがでしょう?」「お安くしますよ」などの声かけは一切ない。マトリョーシカをいくつか買ったのだが、とても嫌そうに精算される。買うのをやめようと思ったくらいだが、別の店に行っても同じような雰囲気である。ソ連の時代から、たくさん売っても売れなくても給与には関係ないということで、愛想をよくする必要がなかったのだろうか。そんなことを思いながら、店を後にするが、もちろん「ありがとうございました」もない。 (2022.6.8  続く)

拍手[0回]

ロシアの話  4.飛行機
日本語-ロシア語の翻訳技術を持っている機関に共同研究の可能性を議論するため、モスクワからサンクトペテルブルグに航空機で移動することになった。ゲートが空く時間が大幅に遅れ、搭乗がぎりぎりであった。それでも手荷物チェックはのろのろペースだったため、本社の人の一人が「早くしてくれませんか?」みたいなことを言った途端、体のでかい職員の女性が「乗らなくていいのか?」ということを言ったらしく、「あんたは後回し」と列から彼を外してしまった。職員の高圧的な態度に彼はびっくりして必死に謝ったところ、何とか通してくれた。顧客一番の日本では考えにくいことである。 (2022.6.15  続く)


目次

拍手[0回]

ロシアの話  5.サンクトペテルブルグ
サンクトペテルブルグというところは旧レニングラードで、ヨーロッパの雰囲気濃い大変に美しい都市である。人々も開放的で、路上にラジカセを置いて踊る若者など、西欧にいるかのような錯覚にさえ陥る。モスクワがなんとなく重苦しい雰囲気が漂うのと対照的だ。世界三大美術館の一つエルミタージュ美術館や水路を利用した観光船巡りなど、見るところも多い。血の上の救世主教会はロシアらしい色合いと形の教会だ。白夜とまではいかなくても、夜は10:00頃でも明るく、日本から行くと不思議な感じではある。サンクトペテルブルグでは、日本語-ロシア語の翻訳ソフトの会社を訪問したものの、研究開発はやっておらず、パッケージソフトを売るだけとのことであった。伝手をたどったものの、他に言語関係の研究機関はなく、再びモスクワに戻った。(2022.6.29  続く)


目次

拍手[0回]

プロフィール

HN:
KIT
性別:
男性
職業:
元研究者、元大学教員
リンク

P R

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
QRコード