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心に移りゆくよしなしごとを、教育、音声言語、認知科学、環境倫理などの視点から、そこはかとなく書いています
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海外カルチャーショック  1.強烈なカルチャーショックを受けた国
会社員時代には、多くはなかったが海外に出張に行く機会が何度かあった。アメリカやイギリスへの出張では、それほど非日常という印象を受けず、大きな違和感もなかった。そのため、強烈な記憶として残っていることはあまりない。数々のサプライズがあったのは、韓国、中国、インド、ロシアである。韓国はソウルとスウォン(水原)、中国は主に上海、インドはデリー、ロシアはモスクワとサンクトペテルブルグが主な舞台であった。(2021.9.17)

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海外カルチャーショック  2.韓国というところ(1)
韓国のS社と数年にわたり共同研究をしていた。S社との共同研究では、4から5回ほど韓国を訪問した。韓国語で挨拶ぐらいはできるようしたいと、こんにちは、ありがとうくらいの言い回しだけを覚えて行った。当時の新甫空港に降り立つと、書かれている案内から標識、全てが当たり前ながらハングル文字で、意味はおろか何の情報なのかさえ全くわからない。途方に暮れた。その頃は、漢字も英語表記もほとんどなく、日本語達者な李さんというS社の人の出迎えがあって本当に助かった。車窓から見る市内、店の看板も道路表示や標識、やはりどこを見てもハングル文字でまるでわからない。道路幅がものすごく広く、中央分離帯には簡単なものが置かれているだけ。李さんの説明によれば、韓国は現在も休戦中であり、戦争になったらすぐに中央分離帯を外して道路を滑走路に使うのだと言う。まず、このことにショックを受けた。街中には、若い兵士がたくさん歩いている。徴兵された兵士が休暇で街に出ているという。この光景も日本では見ることがない。運転手には覚えたはずの「こんにちは」「ありがとう」も言えないままホテルに到着。(2021.9.22  続く)

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海外カルチャーショック  3.韓国というところ(2)
S社は手厚い対応をしてくれた。昼間会議をして進捗を確認、今後の進め方を議論を終えると、懇親会の席をもうけてくれて非常に盛り上がる。先方のお偉いさんも参加。これは韓国の普通の対応だと言う。まず、グラスにビールがつがれ、皆で乾杯。ここまでは日本と同じだが、その後、若い人はグラスを持つ手を、もう一つの手で覆いながら隠すように横を向いて飲む。飲んでいる姿を見せないのが目上の人に対する礼儀で、儒教の教えから来ているという。現在の日本はいろいろな面で淡泊になってしまっているが、何か昭和の時代の日本を見るような気がした。それにしても、皆さん、髪の毛が黒くて若々しい。キムチはじめ韓国料理は髪の毛にいいんですねと李さんに聞いたら、その答えにびっくり。(2021.10.6  続く)



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海外カルチャーショック 4.韓国というところ(3)
韓国の人たちの髪の毛が黒いのは、食べ物によるものではなく、ほとんどの人が染めていることによると言う。その理由は、自分より年上の人の方が髪が黒かった場合、周りがその人よりも自分の方が年上と思ってしまい、その人に敬いが向かないというのだ。ビールの飲み方といい、黒髪に染める習慣といい、韓国では年上の人を敬うという精神が徹底して浸透している。飲み会を終えて李さんと歩いて帰る途中、街頭でにぎやかに歌っているバンドがいた。歌詞は韓国語で全くわからなかったが、とてもリズミカルな曲でしばし聴き入っていた。その時に李さんに「何て歌ってるんですか?」と聞いたら、「竹島は我が国のものだ」と歌っているとの返事。二人とも苦笑した。(2021.10.20)

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海外カルチャーショック 5.韓国というところ(4)
S社との懇親会では、先方の年配の人や若手社員と本当にいろいろな話をした。北朝鮮との関係をどう考えているかという思い切った質問をしたところ、先方の一人が、自分には離散状態の祖母が北朝鮮にいてなかなか会えないという。南北分断の結果、別れ別れになってしまったいわゆる離散家族だ。そのため、完全な敵ともみなせず、複雑な心境という。自国に攻撃してくるとは本気で思っていないようでもあるし、延坪島砲撃事件のこともあって、油断ができないようでもある。日本とは危機感が全く違うと感じたひとときであった。今度は、韓国の人は日本のことを本当はどう思っているのかを聞いてみた。西大門刑務所歴史館などがかなり反日感情を高めていると思ったからだ。先方の若い人が言うには、反日感情を持っている人はそれほど多くなく、ほとんどは日本に親近感を抱いているとのこと。他の人にも聞いてみないと本当のところはわからないが、そこにいた人たち同意していたので、ちょっと安心した。(2021.11.10  続く)

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元研究者、元大学教員
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