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心に移りゆくよしなしごとを、教育、音声言語、認知科学、環境倫理などの視点から、そこはかとなく書いています
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自然と人工  9.自然と人工
自然と人工についていろいろ書いてきたが、例えば、田畑、動物園、植物園、水族館、日本庭園は自然を人間に近づけるための人工。植林や海底の改良は人間を含む自然を守るための人工、自然言語は人間同士の接点として働く人工。人工言語は、人間と人間、そして人間と人工の接点。現在のAIは人間の情報処理機能の代行と考えられる。我々は、今から数百万年前に猿類と分かれるまでの類人猿の時代から、自然あるいは別の類人猿と接するにあたって、道具を使っていた。それは,気温変動から身を保護するための枯れ草を束ねたものだったり、雨をしのぐ巨大な葉で作った屋根だったり、木の実をとったり割ったりする石オノだったり、また、仲間に何か伝えるために叩いて音を出す木製太鼓だったかもしれない。この人間と外界との接点である「道具」こそが人工なのだ。全体的、俯瞰的にいえば、自然体人工という図式ではなく、人間と自然の接点が人工ということができよう。ところで、大石君がその後、どういう人生を歩んだのかはわからない。
           (2021.4.30  「自然と人工」終わり)

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