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心に移りゆくよしなしごとを、教育、音声言語、認知科学、環境倫理などの視点から、そこはかとなく書いています
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ロシアの話 2.連行
仕事が終わった夕方に、出張に同行してくれた本社の人二人と、赤の広場辺りに散歩に行った。美しい聖堂やクレムリンが取り囲む風景は、雨上がりに幻想的で今でも忘れられない。観光客はあまりおらず、静かな感じであった。その時、警察官らしき二人の人物が何やら話しながら近づいてきて、いきなり、本社の人の一人を呼び出し連行していってしまった。100mほど離れたところで、いろいろ尋問しているようだった。15分ほどたっただろうか。ようやく、解放されて戻ってきた。なぜ連行されたのか、何を言われたのかを聞いても、何もわからないということであった。何を不審に思ったのか、なぜ彼だけなのか、いまだに謎である。クレムリンの横には大砲が展示されていた。 (2022.6.1 続く)
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ロシアの話 3.愛想の悪さ
ロシアの土産物屋や飲食店の店員の愛想の悪さには閉口する。「いらっしゃいませ」はもちろん、土産物を見ていても「何をお探しですか?」「これはいかがでしょう?」「お安くしますよ」などの声かけは一切ない。マトリョーシカをいくつか買ったのだが、とても嫌そうに精算される。買うのをやめようと思ったくらいだが、別の店に行っても同じような雰囲気である。ソ連の時代から、たくさん売っても売れなくても給与には関係ないということで、愛想をよくする必要がなかったのだろうか。そんなことを思いながら、店を後にするが、もちろん「ありがとうございました」もない。 (2022.6.8 続く)
ロシアの話 4.飛行機
日本語-ロシア語の翻訳技術を持っている機関に共同研究の可能性を議論するため、モスクワからサンクトペテルブルグに航空機で移動することになった。ゲートが空く時間が大幅に遅れ、搭乗がぎりぎりであった。それでも手荷物チェックはのろのろペースだったため、本社の人の一人が「早くしてくれませんか?」みたいなことを言った途端、体のでかい職員の女性が「乗らなくていいのか?」ということを言ったらしく、「あんたは後回し」と列から彼を外してしまった。職員の高圧的な態度に彼はびっくりして必死に謝ったところ、何とか通してくれた。顧客一番の日本では考えにくいことである。 (2022.6.15 続く)
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ロシアの話 5.サンクトペテルブルグ
サンクトペテルブルグというところは旧レニングラードで、ヨーロッパの雰囲気濃い大変に美しい都市である。人々も開放的で、路上にラジカセを置いて踊る若者など、西欧にいるかのような錯覚にさえ陥る。モスクワがなんとなく重苦しい雰囲気が漂うのと対照的だ。世界三大美術館の一つエルミタージュ美術館や水路を利用した観光船巡りなど、見るところも多い。血の上の救世主教会はロシアらしい色合いと形の教会だ。白夜とまではいかなくても、夜は10:00頃でも明るく、日本から行くと不思議な感じではある。サンクトペテルブルグでは、日本語-ロシア語の翻訳ソフトの会社を訪問したものの、研究開発はやっておらず、パッケージソフトを売るだけとのことであった。伝手をたどったものの、他に言語関係の研究機関はなく、再びモスクワに戻った。(2022.6.29 続く)
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ロシアの話 6.共同研究の話まとまる
他に言語関係の研究機関はなく、再びモスクワに戻った。再度、モスクワ大学を訪ね、議論の末、先方から研究者を日本に派遣し、ロシア語音声認識技術を新たに開発してもらうという共同研究で話がまとまった。早速、その概要について議論し大枠が決まった。議論の後、先方より、学生に音声認識、特にHMM(Hidden Marcov Model)のレクチャーをしてくれないかという要請が突然にあった。先方にロシア語の音声認識の技術があるはずなのになんだか奇妙だなあ、ロシア語は話せないのになあ、などとためらっていると、社外秘の話は出さないでHMMの一般的なしくみの説明だけでよく、英語でOKという。天下のモスクワ大学で音声認識のレクチャーを行うとは思ってもみなかったが、先方の熱意に負けて引き受けることにした。(2022.7.6 続く)
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