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心に移りゆくよしなしごとを、教育、音声言語、認知科学、環境倫理などの視点から、そこはかとなく書いています
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東と西のはざま 3.「ヘビがあった」
東日本と西日本を分ける言葉に、その他<いる/おる>がある。「Aという人がいる」と「Aという人がおる」という具合である。藤枝の高校では「おる」という生徒はいなかったので、この境界は大井川でないことは確かである。名古屋の人はほぼ「おる」を使う。境界はその間ということになる。浜松の知り合いと話をしているとほぼ「いる」派だが、たまに「おる」派がいる。ということから<いる/おる>の境界は浜名湖付近と結論付けられそうだ。会社に入社した頃に、同僚と南紀に行ったことがある。熊野の景勝鬼ケ城のがけっぷちを歩いていた。ここは荒波の侵食によってできた凹凸の激しい断崖である。かろうじて通れる幅の細い崖伝いの通路を歩いていると、地元のおじさん2人とすれ違った。そのとき、そのうちの1人が「気をつけんとヘビがあるで」と言った。以前から、生物の存在を表す<いる/おる>の他に<ある>を使う地域があるというを聞いていたので、思わず「これか!」とかなり感動したのを覚えている。 (2022.3.23  続く)


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