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心に移りゆくよしなしごとを、教育、音声言語、認知科学、環境倫理などの視点から、そこはかとなく書いています
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子供の質問にはすぐ答えてはいけない 10.人間が考えることを怠っていいのか
「人間は考える葦である」と思想家パスカルは言う。考えるということはどういうことか?例えば、学生に「考えるということはどういうことか?」という質問あるいは課題を出すと、「考えるとは」というワードでネット検索して出てきた情報をカットしてそのままペーストして回答とする者(A)と、「考える」「思考」「熟考」などいくつかのワードで検索し出てきた情報から自分なりの「考える」という概念を組み上げる者(B)、そして、全く検索などせずに「考える」という概念を作り上げる者(C)とがいる。(A)のタイプは、検索にちょっと頭を使う程度で、それ以降はデッドコピーであって考えたことにはならない。(B)と(C)は、前提となる知識が自分の外にあるか中にあるかの違いで、最終的には自分の頭で考えたことになる。このように、「考える」ということは、必要な知識を集め、それら、あるいはそれらから連想される知識などから、推論、さらなる連想、アナロジーなどで解を見つけることである。つまり、あらゆることを知識として身につけていくだけでは、知識の宝庫になるだけであり、思考力は身につかない。知識が断片化して保存されていてもそれは力にならない。自己の内外にある知識の数々をどうやって組み合わせ、人生で突き当たる様々な問題の解決につなげるかというところがその人の思考になる。思考の結果がまた新たな知識となる。このようにして、思考の連続によって脳細胞同士がどんどん結合を繰り返し、新たに様々な記憶となって定着していく。そして、人間の力が作られていく。考えることを積み重ねること、それはとても大事なことなのである。 (2021.9.9 「子供の質問にはすぐ答えてはいけない」終わり)
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