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心に移りゆくよしなしごとを、教育、音声言語、認知科学、環境倫理などの視点から、そこはかとなく書いています
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子供の質問にはすぐ答えてはいけない  3.分かれる反応
F君の自由研究の話を講演会とかセミナーとか授業ですると、聴衆が大人の場合はたいてい興味を持って聴いてくれ、インタネットで調べた内容での優秀賞はおかしいという反応が多い。信じられない、小学校の先生もおかしいと言う声も出る。中には、うちの子もそうそうという人もいる。ところが、大学の1,2年生の授業でこの話をすると、なぜそれがおかしいのかという顔をする。わからないことがあったら調べるには当たりだとの声もあった。大学で講義をしていて、こちらが言ったことや質問に関して、頻繁にスマホアクセスをしている学生が少なからずいる。教員の言ったことが信じられなくて確認しているのか、言葉の意味がわからず調べているのかわからないが、そのこと自体は悪いことではない。ただ、休み時間も食事中も歩行中も電車内でもずっとスマホアクセスしているのはいささか心配である。様々な情報を検索して、それらから理論を組み立てり、自分の仮説を検証するなど、思考をサポートするのであれば問題ない。しかし、朝から晩までずっと検索だけをしていないだろうか。学生の研究発表を聞いていると、調査しましたというのが結構多い。研究の出発点がF君のようなものだったのだろうか。研究の概念が変わってきているのか、まだ未熟で研究ということを知らないのかわからない。前者だとすると、彼らはこれから社会人になってもしかすると大学や企業の研究所に勤めるかもしれない。研究所の仕事はインタネット検索が主流になるという日がくるのかと思うとめまいがする。考えることが二の次になるということがあってもいいのだろうか?   (2021.7.21  続く)

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元研究者、元大学教員
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