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心に移りゆくよしなしごとを、教育、音声言語、認知科学、環境倫理などの視点から、そこはかとなく書いています
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繰り返しは偉大である  3.口ずさみと空書が長期記憶に導く
ワーキングメモリの内容をどうやったら長期記憶に送ることができるのか。「心」「日」「立」の部品からなる漢字が何であるかすぐに言えるだろか。少し考えればわかるのだが、その際に、指や頭で空中に文字を書いて思い出そうとしていないだろうか。他にも「『けいさつしょ』の『しょ』は、『者』の上に何を書くか?」などという問題でも、我々はつい指を動かして空中やテーブルに文字を書く動作をしてしまう。これらの問題を学生にやらせるとき、ただ考えさせるグループと両手を後ろで組んで考えさせるグループとに分けると、前者の方が早く正解が出る傾向にある。この空中に文字を書く動作は、空書とも呼ばれるが、我々が漢字を覚えるときに、手書き行動を何度も繰り返したことを示していると考えられる。 一方、プレゼンや演劇のセリフを覚えるときには何度も口ずさんで覚えるのが一般的である。「寿限無」を覚えている人に「シューリンガン」の次は何かと聞くとすぐには答えられず少し前から口ずさみ始めることが多い。円周率をたくさん覚えている人に「8979」の次は何かと聞くとやはりすぐには答えられず少し前から口ずさみ始める。この口ずさみ行動も、以前に何度も口ずさんで覚えたことを意味していそうだ。     (2021.5.19  続く)

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